レポート

2014.04.04 Game Developers Conference 2014

皆さん、こんにちは。

例年に続きまして、今年もGame Developers Conference(以下GDC)へメンバー数名で研修参加して参りました。

会場は例年通りサンフランシスコ モスコーニセンター、期間は3/17~3/21と昨年よりはやや早めの開催となりました。

既にご存知の方も多いかと思いますが、GDCに関しまして簡単に説明しますと、Game Developers Conference(ゲーム開発者会議)の名前の示す通り、ゲーム開発者が世界各地から多数集まり、研修、チュートリアルから講義、ディスカッションと様々な形で技術共有や開発者同士の交流を5日間に渡って行う大きなイベントです。

また、講義だけでなくEXPOスペースでの様々なゲームやミドルウェア等の新商品展示や、ゲームの年間アワードを決めるイベント等世界中から開発者が集まる価値のあるイベントとなっています。

それでは、今回参加してきました『GDC2014』について、レポートをお届けしたいと思います。




準備

アクセスゲームズからは、毎年スタッフがGDCに参加しておりますので蓄積された情報をフルに活用して事前準備を進めます。
そう、先人に倣えというやつです。
渡航準備等はもはやお手のものですので、如何にしてGDCで学んできたものを持ち帰ってくるか、に重点を置き準備を進めます。
受講セッション説明の翻訳から始まり、必要品の調達、タイムスケジュール作成と多岐にわたります。
また、受けるセッションに関連するゲーム作品をプレイし予習しておくことも必要です。
特に、タイムスケジュール作成は、予め時間の決まっているセッションだけでなく、
EXPOで新ツールなどの情報も手に入れてくる必要があるため入念に行いました。


会場の模様

ここがGDC2014が行われたモスコーニセンターです。
サンフランシスコの中心を斜めに走るマーケットストリートから
少し南に入ったところにあるイェルバ・ブエナ・ガーデンズに隣接しています。

モスコーニセンターはノース、サウス、ウエストに分かれており、
各ホールごとに様々なセッションやイベントが行われています。

 


ノースホール
こちらでパスのレジストを行います。
また、地下ではレトロゲームの
ミュージアムと GDC Playという各種ゲームの試遊コーナーが設けられています。


サウスホール
こちらはスポンサー系のセッションと EXPOが開催されるホールとなって
います。


 


ウエストホール
こちらは主に通常のセッションと
インディーズゲームフェスティバル、
チョイスアワード が行われるホールです。




続けて内部の様子も少し御案内します。



こちらはウエストホール内の様子。
幾つもの部屋が連なっているため、
エントランスも非常に広い!
トイレまで行くのがなかなか大変です(笑)


こちらはサウスホール内、
GDCストア。
各種GDCグッズの他、ゲーム、
アート関連の 書籍がずらりと並んで
います。

 


ノースホール内、歴代のゲーム機が
展示してあるゲームミュージアム。
懐かしのゲーム達を見れるだけでなく
遊ぶことも可能です。


ノースホール内のGDC Playの様子。
各メーカーの最新作が体験できます。
プレイの際にブースの方が色々と
説明してくれますのである程度の
英語スキルがあった方がお勧めです。



■セッション

今回は、メインカンファレンス(GDC5日間の中の後半3日間に行われる各種セッション)
に参加しました。
今年のGDCでは丁度各メーカーの次世代機がローンチされたこともあり、次世代向けの 講演が非常に多く行われました。

無論我々も次世代向けの技術を習得すべく、それらのセッションに主眼を置きつつ、セッションを選定しております。
アクセスゲームズからの参加スタッフはプログラマー、ヴィジュアルアーティストでしたので 関連するプログラムセッション、ヴィジュアルアートセッションを中心に聴講を行いました。

■ヴィジュアルアート

ヴィジュアルアートでは下記のタイプを中心としてセッションを受講してきました。

・次世代機での性能を活かした次世代クオリティの開発手法
・現世代機でも次世代機レベルのクオリティを生み出す手法

各々簡単に説明しますと、

・次世代機での性能を活かした次世代クオリティの開発手法
これらのセッションでは、次世代ならではの制作パイプラインの構築や、
スペックを最大に活かしたリソースの割り当てなどが中心となっており、
現在主流となっているものを、スペックが上がる分、よりリアルに、より詳細に、
と昇華させていくタイプのものもあれば、こういう作り方もあるのか!とはっとさせるものなど
様々な内容でした。
例えば、エフェクトの分野では、設定された(エフェクトの)アートを再現するために
数パターンのことなるエフェクトを組み合わせ、エフェクト部分だけでなくモデル側にも変化を
加えていたり、エフェクトそのものも非常に多くのパーティクルを使用して作成されている等
見た目にもリッチな作りになっているところが目立ちました。
キャラモデルの分野では、次世代向けのモデル作成の解説等がありましたが、
モデルポリゴン数や使用しているテクスチャ解像度等が桁外れに高く、
かつ、単純に数値を上げただけでなく細部まで作り込み、大画面でのアップ描写にも耐えられる
ものになっており、制作手法の変化の必要性を感じさせました。

・現世代機でも次世代機レベルのクオリティを生み出す手法
こちらは主に某タイトルのセッションが中心となるのですが、
関連する複数のセッションを受け、次世代機と比較しても遜色のないクオリティのグラフィックが
生み出されるファクターを大いに勉強することができました
。 各分野のスペシャリストが拘りに拘りぬいて、幾重にも試行錯誤された結果が
最終的なゲーム画面として出力されているわけですが、その結果にたどり着くまでになされた
数多くの研究をセッションを通して知ることができました。
例えば、魅力的な空を作り上げるために、様々な天候や季節による変化から、風の流れの
計算まで、 求める絵を作り出すために、綿密に練られた制作手法を見ることで、その拘りの
細かさを感じることができました。


●プログラム

プログラムでは、下記のタイプのセッションを受講しました。

・次世代機向けのグラフィックテクニック及びパイプライン
・AI技術、テクニック

それぞれ説明すると

・次世代機向けのグラフィックテクニック及びパイプライン
PS4やXbox Oneにて発売されているタイトルのグラフィックテクニックやパイプラインの紹介
セッションです。
テクニックでは特に、エフェクトなどわかりやすいもののセッションが多く、とても楽しめました。
パイプラインでは、現行機の技術からのバージョンアップにて乗り切っているものと
次世代向けに独自に作成しているものの2タイプ存在しており、前者、後者ともにまだまだ
伸びしろがある感じです。
さすがに次世代機が発売して1年未満のため、まだハードパワーに頼っている部分が多く、
成熟しきっていない印象でした。

・AI技術、テクニック
近年、AI技術講演が非常に増えてきており、今年もたくさんのセッションがありました。
セッションを受けた印象としては、ルート探索、ナビメッシュ、視線判定など新しいものではなく
これら、既存の技術をどういった形で利用すると、より面白い、賢く見えるAIとなるのか
といった内容が多かったです。
特に、視線判定が何種類も存在し、それぞれの判定に対してリアクションが設定されている
など、リアルな動作を行うことに対して、想像以上に何重にも処理をしていることに驚いたのと
同時に、それ故に徹底的な処理の高速化を行っていることも想像できましたので、非常に
感銘をうけました。
こういった内容など、すぐに開発に取り入れることができるものもいくつかありましたので、
アクセスゲームズでも積極的に実践していきたいです。




■Game Developers Choice Awards & Independent Games Festival

続いて、毎年おなじみのアワードをご紹介いたします。


直前のセッションを終え、会場である ウエストホールへ駆けつけると入口には 既に凄まじい人だかりが!

会場内にも続々と人が増え続けており 熱気が伝わってきます。 GDC参加者が一気に集まっている感じですね。


アワードは大きく二つに分かれており、Game Developers Choice Awardsと インディーズゲームのアワードであるIndependent Games Festivalとなっています。
今年も会場の盛り上がりは凄まじく、一般席前方は人で溢れ返っていたり、関係者席(一般席より前方にパーティスタイルで 設置されていました)では既に飲みまくっている方がいたりと非常にお祭り感を感じるものとなっていました。
また、受賞発表では途中に恒例のMega64によるパロディショートムービーが挟まったりと笑いと歓声で埋め尽くされた 授賞式でした。 錚々たるノミネート作品の中、見事Game of the Yearを獲得したのはThe Last Of Us 。 他にもBest Design、Best Narrativeと3部門受賞しており、昨年から多くの賞をとっている実力を発揮した形となりました。
個人的に注目していたのはPapers, Please。 少し前にこのゲームを遊んでおりましたので、印象に残っているゲームだったのです。
蓋を開けてみるとIndependent Games Festivalで3部門、Game Developers Choice Awardsで2部門受賞するという結果に! 5度も壇上に上がられることになったので開発者のLucas Pope氏を完全に覚えてしまいました(笑)

また、日本人では久夛良木健氏がLifetime Achievement Awardを受賞しました。
氏は昨年のCEDEC2013でCEDEC AWARDS 2013特別賞を受賞されていたことも記憶に新しいですね。
紹介時のMega64による「KUTARAGI'S WAY」には本人もご出演されており会場を笑いの渦に巻き込んでおりました。

こうして、会場の熱気冷めやらぬまま、閉会を迎えました。
Game Developers Choice Awards と Independent Games Festival、合せて22部門、 多くの素晴らしいノミネート作品が会場を盛り上げてくれました。 いずれは、我々アクセスゲームズもこの場に食い込んでいけるよう、頑張って参ります!



Independent Games Festivalの 最優秀賞であるSeumas McNally Grand Prize を受賞したPapers, Please。


Game Developers Choice Awards今年の Game of the YearはThe Last Of Us! 壇上に受賞者が勢ぞろいです。




■その他
EXPO会場では各メーカーのブースが出展されており、大変賑わっておりました。
大きな特徴としましてミドルウェアメーカーのデモ等が多く出展されており、ゲームショー等 とは少し趣が異なります。 (各メーカー最新ゲームの出展はもちろんありますが)
ブースには其々の開発者の方が駐在しており、最新ソフトのデモンストレーションを受けたり、 開発者同士の質疑応答など なかなかに濃い体験が可能です。

設置型の機器など店舗などではなかなか 体験できないような大型のものもデモを 行っておりました。

こちらは腕に装着するタイプ。 体感型の機器がかなり増えてきたように感じます。


デモを見たり、ソフトを直接操作しながら 説明を受けることも可能でした。

弊社スタッフもここぞとばかりに体験中。




■最後に

さて、GDC2014レポート如何でしたでしょうか?
今年は各種次世代機がローンチとなり、現世代機から次世代機への過渡期となる年であることもあって、 セッションでは現世代技術と次世代技術に関する内容が半々という印象でした。
成熟した現世代の技術とこれから発展していく次世代の技術。どちらもとても身になるものでした。
これまで培ってきた技術に、新しい技術をどう組み合わせていくのか、アクセスゲームズとしても しっかりと研究を進めていかなければなりません。
また、セッションだけでなくEXPOのブース展示からは、VR等これまでのゲームスタイルとは異なった形のものが、 技術の発展と共に目に見えるものになってきているなという印象を受けました。 私達も、ゲーム開発者としてこういった変化の流れには常にアンテナを伸ばしておくべき必要がある!と考えさせられました。
今回、学んできたことをしっかりと社内にフィードバックし、より良いゲーム開発が行っていけるよう頑張ります!

以上GDC2014レポートでした。

以下恒例のおまけです。


ゴールデンゲートブリッジの袂まで 行ってきました。 この圧倒的なスケール感! 是非再現したい。

フィッシャーマンズワーフのカニのモニュメント。 是非再現(?)したい。 どこで使うかとかは別として!